平成29年度予算についての討論
今定例会へ提出された予算案から関連議案について本会議場にて討論を行いました。
https://youtu.be/eaEpky39Qlk?t=5284
討論の原稿も載せておきます。
維新の会議員団を代表し、本定例会へ上程中の平成29年度当初予算、関連議案第1号ないし第49号議案に対し、賛成の立場から討論を行います。
今回提案のあった議案に対しては、先の代表質問、一般質問や予算特別委員会での質問や審査のみならず、会派内での議論を尽くし、慎重に検討いたしました。
私ども維新の会議員団は昨年9月の重要政策提言と11月の予算申し入れに際し、総花的な地域振興施策では無く、選択と集中を行い、都市部には若者を吸引する、都市としての魅力を高める為の施策、都市近郊部には子育て環境を整え、住宅地としての魅力を高める施策、中山間部・多自然地域には自然豊かな魅力を引き出す施策を求めました。
本定例会に上程された平成29年度当初予算案は、一般会計、特別会計、公営企業会計を合わせ、3兆2,061億円の予算規模です。
歳入に関し、県税では企業業績を反映し法人関係税が増となる一方、地方消費税の減等により前年度を1.6%、126億円下回る7,993億円。地方交付税、国庫支出金を合わせて242億の減。その他を含め歳入は456億円の減と大変厳しい内容となっております。
こうした財政事情を考慮しますと、本気で地域創生を進めるのであれば、無駄を削り選択と集中を行い、それぞれの地域に合った振興策を取る必要があります。
それらを踏まえ今回の予算案について維新の会議員団としての意見を申し述べます。
まず、一つに、都市基盤の充実です。
神戸市と連携し特定都市再生緊急整備地域における整備計画の策定や新長田駅南地区において本県と神戸市合同庁舎を進めるとの事ですが、本県には他に姫路市や西宮市・尼崎市といった人口規模で50万人前後の中核市があります。こうした都市部において、都市基盤の再整備を行う事で、さらに若者を引きつける魅力ある都市へと変わるよう図っていく事が、広域行政体としての本県の役割であると私たちは考えます。都市部の魅力をより一層高める為の取組が重要との視点に立って施策に取り組んでいただくことを強く求めます。
二つに、教育への投資です。
言うまでもなく、教育は国を支えていく人を育てる礎です。特に、グローバル化が今以上に進展していくことが予想される中、将来を託す子どもたちには、一人ひとりが我々の世代以上の力を発揮してもうらことが必要となってきます。そのため、私たち大人は、子どもたちに良質な教育を施し、知識だけではなく、優れたな識見と豊かな人格の形成を図っていく責任があります。
また、教育への投資は乗数効果が高いといわれており、国においても教育無償化へ向け端緒につく動きも見られます。
さらに、働き方改革や待機児童の解消等を通じて、子育て世代への支援を行う事は、結果として街の活性化へとつながると考えます。
国の施策を待つのではなく、また、組織の垣根を超えた広い意味での教育施策において独自の総合的な取組を行う事を求めます。
三つに、人口増へ向けた施策です。
井戸知事は本定例会の冒頭、知事提案において、地域創生を軌道に乗せるという項目の中で「人口が減っても、少子高齢化が進んでも、活力を保ち続ける地域を創る」と述べました。
また、ツーリズムの振興においても「定住人口が減っても、交流人口を増やす事で、地域の賑わいを生み出す事ができる」とも述べました。
しかし、一方で、先般行われました予算特別委員会においては、多くの委員から本県の人口減への対応について質疑・質問がありました。地域創生戦略の自然増や社会増対策、カムバックひょうご東京センター、出会いの機会づくり、第1子に対する子育て支援、子育て世代包括支援センター、産後ケア事業、病児・病後児保育の充実、若者の県内就職及び定着の促進に向けた取組の強化、若者の県内就職支援の取組、その他にも多くの質問が出た様に、人口減については多くの議員が問題意識を持っています。
確かに、交流人口の拡大により地域の賑わいが生じる、という点は理解できますが、若い世代の定住人口がない場合、高齢者の多い小規模集落はどんどん消滅の危機に瀕していきます。やはりまず定住人口の増加に全力を傾けるべきではないでしょうか。
若者が大きな志を持って都市へ出ていく。これを止める事はできません。大正3年に発表された高野辰之作詞の「故郷」においても、故郷を離れ学問や勤労に励む人が、自分の夢を叶え、目標を成就させ、いつの日にか山青き・水清き故郷へ帰ろう、という心情を歌っています。
ならばどの都市へ出て行くのか。東京へ行くのか、大阪へ行くのか、それとも神戸へ行くのか。神戸が都市間競争に勝ち、若者にとって魅力ある大都市の仲間となれば、若しくは、東京一極集中を是正し東京と関西において国土の双眼構造を作る事ができれば本県の人口も上向くのではないでしょうか。
人口減を前提とするのではなく、人口増を目指す施策について、より一層の充実を図るべきです。
以上、上程議案に対する我が会派の意見となります。
行革推進条例が終期とする平成 30 年度まで残すところ2年となりました。収支均衡など、財政運営の目標達成をより確実なものとする必要があり、それゆえ最終2カ年行革プランがまとめられました。平成20年度に全国初の行革推進条例が制定される事により行われてきた、行財政構造改革について、維新の会議員団としは相応の評価をしておりますが、議会を含めた県庁組織の合理化や、県庁で働く職員の生産性の向上へ向けた課題は山積していると考えます。
維新の会議員団は、県民の要請に的確に応えることができるような財政基盤を構築するため、引き続き県政の課題に取り組む決意を表明し、知事から提出されました議案に対する賛成討論といたします。